議員定数削減と一票の格差是正の矛盾
その中で民主党が「野田氏と公約したのに安倍総理が実現しなかった」と批判する議員定数削減。
議員定数削減は必要なのか、という点について議論が浅いのではないかと考えている。
議員定数削減を叫ぶ一方で、もう一つ問題になっているのが一票の格差問題。
議員定数削減はこの一票の格差問題と表裏一体であることは本来考えれば分かるはずだが、どうもコスト削減という耳障りの良い言葉だけで議員定数削減を叫んでいる層がいるのではと危惧している。
現状の一票の格差というのは、都市部に比べて人口の少ない地方の方が一票の重みがある状態、例えると東京で1万人で1人の国会議員を選んでいるのに対してある地方では2,000人で1人の国会議員を選んでいる状態になっている。
しかし、もしこの一票の格差を現状の選挙制度で是正しようとした場合、
・都市部の選挙区の当選人数を増やす
・地方の選挙区の当選人数を減らす
のどちらかになるのだ。
前者は議員定数削減からすると真逆を行くことになる。
後者は地方選出の国会議員が少なくなり地方の声が届きにくくなる、という問題を含む。また小規模の政党からの当選者が減る可能性が高い。
つまり、ただ議員定数削減すれば良いという問題ではない。
これらの解決方法としてはいくつか案も出ているが、選挙制度自体の改革が必ず伴う。
議員定数削減は果たして今必要なのか、それよりも先に一票の格差是正に踏み切るべきではないのか。