企業景気予測はそんなに悪化したのか?
内閣府と財務省は10~12月期の法人企業景気予測調査を発表した。
それを受けて各メディアでは「前回から調査悪化」「中小企業はマイナス続く」とネガティブな報道をしている。
Twitter等でも、ネガティブに受け止めた人々のつぶやきが多く溢れている。
だがしかし、報道されているニュースの見出しだけで条件反射のようにつぶやいていないだろうか?
前回何%だったものがどれだけ落ちて、どのくらい悪くなったのかしっかり判断したうえでの発言だろうか?
まずはしっかりファクトを見る癖をつけるために、実際の推移を見てみよう。
以下は、第43回法人企業景気予測調査の企業規模別の景況判断推移だ。1月以降は見通しとなっている。
確かに前回の判断に比べると、10〜12月は大企業から中小企業まで下がってきている。
ただし中小企業はほぼ横ばいだ。
また、来年の見通しは大企業・中堅企業は下向きになっているのに対して中小企業はやや上向きになっている。
今度は長期的な視野で見てみると、現在の位置は平成20年度の落ち込みに比べるとまずまずの位置にいると言えよう。
アベノミクスで景気がすっごく良くなる!と期待していた方からすると、今回の結果は期待を裏切られた結果であろう。
しかし、長期的に見ると今回の結果はパンダ的には「まぁいつもどおりだよね」くらいにしか感じないのだが、どうだろう?
(あくまでもパンダの物差しなので、別にこれが良い悪いを論議する気はない)
新聞の見出しは、数字の事実に対して記者の判断が入っている。
しかしその判断は見る人によって変わってくる。
今回言いたいことはアベノミクスを擁護するわけではなく、あくまでもその判断を鵜呑みにするのではなく、自分の物差しで数字を判断する癖をつけよう、ということだ。